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2025/08/04
小児歯科,予防歯科
「8020達成のための年代別セルフケア 乳幼児期について①」
乳幼児期において、上の前歯がむし歯になりやすいという現象は、一般的な歯科学的知見に基づいて確認されています。上の前歯は、乳幼児期における栄養摂取や口腔衛生状態によって影響を受ける部位であり、むし歯の発生リスクが高まる傾向があります。

乳幼児期において、特に上の前歯がむし歯になりやすい理由はいくつか考えられます。まず、乳幼児期は歯が生え始める時期であり、歯の表面が未熟であるため、酸や砂糖などの刺激に弱い状態にあります。このため、砂糖を多く含む食品や飲み物を摂取することで、むし歯菌が増殖し歯質を侵す可能性が高まります。

さらに、乳幼児期は口腔衛生状態が確立されていない時期でもあります。乳幼児は歯磨きや口腔ケアを自己管理することが難しいため、親や保護者が適切な歯みがき指導や口腔ケアを行う必要があります。口内環境が清潔でない場合、むし歯菌が増殖しやすくなり、上の前歯がむし歯になるリスクが高まります。

さらに、乳幼児期における食生活もむし歯の発生に影響を与えます。砂糖を多く含むおやつやジュースを頻繁に摂取することで、歯の表面に砂糖が付着し、むし歯菌のエサとなります。特に、夜間や就寝前に砂糖を摂取することは、唾液の分泌が少なくなるため、むし歯のリスクが高まります。

したがって、乳幼児期において上の前歯がむし歯になりやすいとされる理由は、歯の未熟な状態、口腔衛生状態の確立、食生活など様々な要因によるものです。親や保護者は、適切な歯みがき指導や口腔ケアを行うと共に、砂糖を控えた食生活を心がけることで、上の前歯のむし歯予防に努めることが重要です。乳幼児期における正しい歯科ケアの習慣は、将来的な歯の健康状態にも影響を与えるため、積極的な取り組みが必要です。


2歳ごろまでにおける哺乳瓶などの使用が、上の前歯の唇側や歯と歯の間にむし歯を発生させる可能性を高める理由について、以下のような説明があります。

乳幼児期における哺乳瓶の使用は、上の前歯の唇側や歯と歯の間にむし歯を引き起こす一因となり得ます。哺乳瓶から摂取される飲料や食品が、歯に付着しやすい状況が生じることが挙げられます。特に、哺乳瓶を使ったままで寝る状態になると、口腔内の唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥してしまいます。この状態は、むし歯菌の繁殖を促進し、歯の表面に砂糖や飲料の残留物が付着しやすくなります。

また、哺乳瓶を使っている際に飲む飲料が砂糖を多く含む場合、歯の表面に砂糖が付着することで、むし歯菌の栄養源となります。特に、哺乳瓶を使っているときは、飲料が歯と歯の間や歯茎の隙間に溜まりやすく、十分な口腔衛生が行われていない場合、むし歯の発生リスクが高まります。

さらに、上の前歯の唇側や歯と歯の間は、乳幼児期における歯磨きが難しい部位であるため、歯垢や食べカスが溜まりやすいという特徴があります。哺乳瓶を使用することで、この部位に飲料や食品が付着することで、むし歯のリスクが増加します。特に、夜間や長時間の哺乳瓶使用は、むし歯の発生を促進する要因となります。

以上のように、2歳ごろまでの乳幼児期における哺乳瓶の使用は、上の前歯の唇側や歯と歯の間にむし歯を引き起こすリスクを高める要因となり得ます。適切な口腔ケアや飲料の摂取方法を実践し、定期的な歯科検診を受けることで、このようなリスクを軽減し、健康な歯を維持することが将来の8020達成のために重要です。

この記事を書いた人

歯科医師 厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医
上垣 公彰
プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。