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2024/11/04
歯周病治療
「歯周病が引き起こす誤嚥性肺炎の危険性とは?」
歯周病と誤嚥性肺炎の関係について、注目すべき研究が数多く存在しています。歯周病は口腔内の炎症性疾患であり、歯周組織の炎症が進行することで歯肉の出血や腫れ、歯槽骨の破壊などの症状を引き起こします。これにより、口腔内には数多くの細菌が繁殖し、口腔内から微生物が誤って気道に侵入する「誤嚥」が起こる可能性が高まります。

誤嚥性肺炎は、口腔内の微生物が気道や肺に到達し、炎症を引き起こす病態です。歯周病によって口腔内の微生物が増殖し、口腔内の炎症が慢性化することで、誤嚥性肺炎のリスクが増加するとされています。特に高齢者や認知症を患っている方、嚥下障害のある方などは、口腔内の衛生状態が悪化しやすく、誤嚥性肺炎の発症リスクが高いと考えられています。

研究によると、歯周病の治療や予防が誤嚥性肺炎の予防に効果的であることが示唆されています。歯周病の適切な治療により口腔内の炎症を抑制し、口腔内の微生物の数を減少させることができます。これにより、誤嚥性肺炎のリスクを軽減し、健康な口腔状態を維持することが重要とされています。

さらに、口腔ケアの重要性が高まる中で、歯科医師や看護師、リハビリテーションスタッフなどが連携して口腔内の管理を行うことが求められています。高齢者施設や医療機関などでも口腔ケアの重要性が認識され、口腔内の状態を定期的に評価し、適切なケアプランを策定する取り組みが進められています。


さらに、歯周病と誤嚥性肺炎の関係は、免疫系の関与も考えられます。歯周病による口腔内の炎症が慢性化すると、炎症性サイトカインや細胞間接着分子が増加し、免疫応答が活性化されます。この免疫応答が過剰になると、誤嚥性肺炎における炎症反応の過剰な活性化を引き起こす可能性があります。

また、歯周病による口腔内の微生物が肺に到達する経路には、口腔-胃-腸-気道経路や口腔-気道経路が挙げられます。口腔内の微生物が食物や唾液と共に胃を経由して気道に到達する場合や、口腔内の微生物が誤って気道に侵入する場合があります。特に誤嚥性肺炎を発症しやすい高齢者や認知症患者、嚥下障害のある患者では、口腔内の微生物が気道に到達しやすく、誤嚥性肺炎の発症リスクが高くなると考えられています。

口腔内の状態が誤嚥性肺炎に影響を与えることから、口腔ケアの重要性が一層強調されています。口腔内の清掃や歯磨き、フロスの使用、マウスウォッシュの利用などを通じて口腔内の衛生状態を維持することが、誤嚥性肺炎の予防につながります。また、定期的な歯科検診や口腔ケアプランの策定も重要であり、専門家との連携を通じて適切なケアを受けることが必要です。

最後に、歯周病と誤嚥性肺炎の関係は、口腔内の状態や免疫応答、微生物の経路など多岐にわたる要因が影響していることが分かります。口腔内の管理が誤嚥性肺炎の予防に重要であるだけでなく、口腔ケアが全身の健康にも大きく関与していることを認識し、適切なケアを行うことが必要です。今後も歯周病と誤嚥性肺炎の関係についての研究が進み、健康長寿社会の実現に向けた取り組みが進められることが期待されます。




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この記事を書いた人

歯科医師
上垣 公彰
プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。