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2025/03/08
予防歯科
「NCCL(非う蝕性歯頸部歯質欠損)を防ぐためのブラッシング指導①歯質の喪失が起きていることに気づいてもらう。」
NCCL(非う蝕性歯頸部歯質欠損)を防ぐためのブラッシング指導において、まず重要なのは患者さんに歯質の喪失が起きていることに気づいてもらうことです。多くの患者さんは歯質の喪失に気づいておらず、自覚症状がないため危機感を持っていないことが一般的です。そのため、まずは口腔内写真を使用して、「あなたの歯が減っている」という事実を伝えることが重要です。

口腔内写真を通じて歯質の喪失を視覚的に示すことで、患者さんが状況を理解しやすくなります。歯質の喪失は習慣によって引き起こされていることが多いため、その習慣を変える必要があることも患者さんに伝える必要があります。ブラッシングの際に歯ぐきに対して過剰な圧力をかけたり、硬い毛先の歯ブラシを使用したりすることが歯質の喪失を促進する要因となります。そのため、適切なブラッシングの方法や歯ブラシの選び方について指導し、歯質の喪失を防ぐための改善策を共に考えることが重要です。


また、歯質の喪失が進行すると、歯の感覚過敏や歯の形態の変化、歯の欠損などのさまざまな問題が生じる可能性があります。これらの問題は治療が難しくなるだけでなく、日常生活にも支障をきたすことがあります。そのため、歯質の喪失を防ぐためには、早期の対策が重要となります。

ブラッシング指導においては、適切なブラッシングの方法や歯ブラシの選び方だけでなく、口腔内環境や生活習慣についても十分な配慮が必要です。例えば、食生活やストレス、喫煙なども歯質の喪失に影響を与える要因となります。患者さんとのコミュニケーションを通じて、そのような生活環境や習慣にも目を向け、総合的なアプローチで歯質の喪失を予防する取り組みが求められます。

さらに、定期的な歯科検診やクリーニングも歯質の喪失の予防には重要です。歯科医師や歯科衛生士が患者さんの口腔内状態を評価し、早期に異常を発見することで、適切な対処が可能となります。患者さんには定期的な歯科検診の重要性を理解してもらい、予防のための積極的な行動を促すことも重要です。

総合的なアプローチを通じて、患者さんと歯科医療チームが連携して歯質の喪失を予防する取り組みを行うことが、NCCLの対策において不可欠です。患者さんが自らの口腔内状態や生活環境を理解し、適切なケアを行うことで、歯の健康を守り、将来の歯のトラブルを防ぐことができます。歯科医師と患者さんが協力し合い、健康な歯を維持するための取り組みを行うことが、歯科医療の目的であると言えます。



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この記事を書いた人

歯科医師
上垣 公彰
プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。