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2024/02/21
口腔外科・親知らず
「親知らずってなに?わかりやすく解説します!」
親知らずは、人間の歯の中でも特に後ろに位置する、上下左右の奥歯のうち最後の4本の歯のことを指します。正式な名称は第3大臼歯と呼ばれ、通常は上下左右の各歯列に1本ずつ存在します。親知らずは、通常は成人になる前後に生えてくる歯です。

親知らずは、他の歯と比較して非常に特殊な特徴を持っています。まず、親知らずは他の歯に比べて大きく、形状も異なることがあります。通常、親知らずは冠部(歯の見える部分)が大きく、根部も長くなっています。また、親知らずの生える位置も特殊で、他の歯と比べて奥に位置しているため、歯列の最後尾に位置しています。

親知らずの生え方には個人差があります。一部の人では、親知らずが正常に生えてくることもありますが、多くの場合、親知らずは正常な位置に生えず、問題を引き起こすことがあります。一般的な問題は、親知らずが部分的に生えてきたり、生えるスペースが不足していたりすることです。このような場合、親知らずは「埋伏智歯」と呼ばれ、他の歯や歯ぐきに圧迫をかけたり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。


埋伏親知らずによって引き起こされる問題には、以下のようなものがあります。まず、親知らずが他の歯に圧迫をかけることで、歯列の歯並びが乱れる可能性があります。また、親知らずが部分的に生えてきた場合、周囲の歯や歯ぐきに食物のかすが詰まりやすくなり、歯周病や虫歯のリスクが高まることもあります。さらに、埋伏親知らずが炎症を引き起こし、痛みや腫れをもたらすこともあります。

親知らずの治療には、様々なアプローチがあります。まず、親知らずが問題を引き起こしていない場合や、正常に生えている場合には、特に治療は必要ありません。ただし、親知らずが痛みや腫れを引き起こしたり、他の歯に圧迫をかけたりしている場合には、歯科医師の評価と適切な治療が必要です。

治療の方法は、症状や状態に応じて異なりますが、通常は以下のようなアプローチが取られます。まず、症状の軽減や炎症の制御のために、抗生物質や抗炎症薬の処方が行われることがあります。また、場合によっては、親知らずを抜歯することもあります。親知らずの抜歯は、歯科医師によって行われ、局所麻酔下で行われることが一般的です。抜歯後は、適切なケアや処方薬の使用が指示され、症状の改善と回復を促すために定期的なフォローアップが行われます。

親知らずの抜歯は、痛みや腫れの緩和、他の歯や歯ぐきへの影響の軽減、口腔の健康状態の改善など、様々なメリットがあります。ただし、抜歯には一定のリスクや合併症も伴う場合があります。したがって、治療計画や抜歯の必要性については、患者の状態や希望を考慮しながら、歯科医師との十分なコミュニケーションと共有が重要です。
総括すると、親知らずは人間の口腔内に特有な歯であり、他の歯と比べて生え方や位置、形状が異なることが特徴です。埋伏親知らずが引き起こす問題には、歯列の乱れや痛み、腫れ、歯周病や虫歯のリスクなどがあります。治療の方法は患者の状態に応じて異なりますが、抗生物質や抗炎症薬の処方、抜歯などが一般的なアプローチです。親知らずの治療には、患者と歯科医師の共同作業が必要であり、患者の症状や希望に合わせた適切な治療計画が立てられるようになっています。


親知らずには、抜歯以外の治療方法も存在します。例えば、親知らずの周囲の歯ぐきや骨が十分に成熟していない場合には、親知らずを抜歯する前に、歯ぐきの切開や骨の削り取りを行うことがあります。これによって、親知らずの生えるスペースを確保し、問題なく抜歯が行われるようになります。

また、親知らずが埋伏している状態で症状がない場合には、定期的な検診やレントゲン撮影を通じて経過観察が行われることもあります。これにより、親知らずが問題を引き起こす可能性やリスクを評価し、必要な場合には適切なタイミングで抜歯を検討することができます。

親知らずの抜歯は、一般的には比較的簡単な手術とされていますが、抜歯後のケアが重要です。抜歯部位は通常、一時的に腫れたり、出血したりすることがあります。歯科医師は、抜歯後の適切なケアや処方薬の使用方法を指示します。抗生物質や鎮痛剤の処方、食事制限、口腔衛生の注意などが含まれることがあります。これらの指示に従うことで、抜歯部位の回復を促し、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。

親知らずの抜歯後は、通常は数日間から数週間にわたって回復が進みます。腫れや痛みは徐々に軽減され、抜歯部位の傷口が癒合していきます。ただし、個人差があり、回復には時間がかかる場合もあります。また、抜歯後に合併症や感染症が発生することもまれにあります。そのため、抜歯後の経過観察と定期的なフォローアップが重要です。

親知らずは、抜歯することで問題を解決する場合がありますが、必ずしも全ての人にとって抜歯が必要とは限りません。一部の人では、親知らずが正常に生えてきているため、抜歯の必要性は低い場合もあります。しかし、親知らずが埋伏している場合や症状を引き起こしている場合には、抜歯が適切な治療方法となることがあります。

最後に、親知らずの治療や抜歯には、歯科医師との十分なコミュニケーションと相談が重要です。歯科医師は、患者の口腔状態を評価し、適切な治療計画を立てるために必要な情報を提供します。また、患者自身も症状や希望、不安などを遠慮なく伝えることが大切です。親知らずの治療は、個々の状態とニーズに合わせたカスタマイズされたアプローチが求められるため、信頼できる歯科医師との協力が重要です。



この記事を書いた人

歯科医師
上垣 公彰
プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。