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2023/10/16
口腔外科・親知らず
「口の健康に関わるリスク!口腔粘膜の白板症と悪性腫瘍について知っておきたいこと」
口腔粘膜の白板症(はくばんしょう)とは、口腔内の粘膜に白い斑点や斑塊が現れる疾患です。歯科の観点から口腔粘膜の白板症について詳しく説明します。

1. 口腔粘膜の白板症の症状と原因:
口腔粘膜の白板症は、口腔内の粘膜に発生する白い斑点や斑塊が特徴です。これは粘膜の表面に異常な細胞の増殖や角化が起こることによって引き起こされます。口腔粘膜の白板症の主な症状と原因は以下の通りです。
- 白い斑点や斑塊の出現:口腔内の粘膜に白い斑点や斑塊が現れます。これは粘膜表面の角化異常や細胞の増殖が原因です。
- 剥離や潰瘍の可能性:口腔粘膜の白板症が進行すると、粘膜の剥離や潰瘍が生じることがあります。
- 原因の多様性:口腔粘膜の白板症の原因は多岐にわたります。喫煙、アルコールの摂取、感染症、免疫不全、ストレスなどが関連していることがあります。

2. 口腔粘膜の白板症の予防:
口腔粘膜の白板症の予防には、適切な口腔衛生習慣と生活習慣の改善が重要です。以下に予防方法を紹介します。
- 正しい口腔衛生:口腔内の清潔を保つために、毎日2回の歯磨きとフロスの使用を行いましょう。また、定期的な口腔検診とクリーニングを受けることも重要です。
- 生活習慣の改善:喫煙やアルコールの摂取を控えることで口腔粘膜の健康を保つことができます。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心掛けましょう。

3. 口腔粘膜の白板症の治療:
口腔粘膜の白板症の治療は、症状の改善と進行の防止を目的として行われます。以下に治療法を紹介します。
- 病因治療:口腔粘膜の白板症の原因に応じて、治療を行います。例えば、感染症が原因の場合は抗生物質や抗真菌薬の使用が考慮されます。
- 対症療法:白板症の症状を緩和するために、抗炎症薬やステロイド薬の使用が行われることがあります。
- 組織検査と病理診断:口腔粘膜の白板症の診断には、組織検査や細胞診による病理診断が行われることがあります。これによって正確な診断が行われ、適切な治療方針が立てられます。




白板症の中でも特に注意が必要な病態として、口腔内癌(oral cancer)が挙げられます。口腔内癌は、口腔内の粘膜や組織で発生する悪性腫瘍です。主なリスク要因には、喫煙、アルコールの摂取、口腔内の慢性炎症や機械的な刺激、ウイルス感染(特にヒトパピローマウイルス)などがあります。

歯科医師は、口腔内癌の早期発見と診断に重要な役割を果たします。口腔内癌は初期段階では症状がほとんど現れず、進行すると痛みや出血、食事や言語の障害などが現れることがあります。歯科医師は定期的な口腔検診を通じて、口腔内の変化や異常を早期に発見し、疑わしい病変を生検などの検査によって評価します。

口腔内癌の治療は、病変の大きさや進行度に応じて異なります。早期段階では手術による腫瘍摘出が主な治療法となりますが、進行した場合は手術に加えて放射線療法や抗がん剤療法などの組み合わせ治療が必要となることもあります。

また、口腔内癌の予防には、喫煙やアルコールの適度な制限、口腔内の定期的な検診、口腔衛生の維持などが重要です。歯科医師は、予防のためのアドバイスや口腔内の定期的なチェックアップを通じて、患者の口腔内の健康と癌のリスクを管理することが求められます。



口腔粘膜の白板症は、口腔内の粘膜の健康に影響を与える可能性があります。適切な口腔衛生習慣や生活習慣の改善によって、口腔粘膜の白板症の発生を予防することができます。また、口腔粘膜の白板症の治療は、症状の改善と進行の防止を目的として行われます。口腔粘膜の白板症の症状が現れた場合は、早めに歯科医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。


この記事を書いた人

歯科医師
上垣 公彰
プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。